平成26年に訪問した宮城県登米市の養雲寺山門です。説明板によると、建築構造(架構方法)から江戸時代初期以前の門とのことで、この地に存在した太白山永明寺の山門であったものを、そのまま残した門だそうです。現在登米市の指定文化財になっています。屋根は現在銅板で葺かれていますが、元は茅葺きでした。登米市の懐古館にはその当時の写真が展示されています。また、現地の説明板には明記されていませんでしたが、この門は元々葛西氏の寺池城(江戸時代仙台藩の登米要害になった城)の門を移築したという伝承があるようです。上層部分が当時の形をどのくらい残しているのかよく分かりませんが、戦国時代末期ごろの城の櫓門だとしても、頷けるような建築だと思います。上層の櫓の高さを縮めて山門に改造したものでしょうか?伝承が正しければ、戦国時代末期の城館の遺構として、かなり重要な建築物ではないでしょうか。