高松の池
盛岡市の高松一丁目にある、高松の池は、市民の行楽地です。桜の名所100選にもなっている公園ですが、去年と今年は、桜は開花しましたが、桜まつりは中止されました。残念でした。
江戸時代の初め、盛岡南部氏により、盛岡城下建設が行われましたが、高松の池下の上田には大きな湿地帯があり、そこに街道と足軽組町(くみちょう)を造るために、水源を堰き止めました。上、中、下の三つの堤が築かれて、上堤の上の一帯を上堤頭(かみつつみがしら)と呼んでいます。上堤は、最近まで釣り堀として、親しまれており、今でも池が残っています。
中堤は最も広く、手漕ぎボートや、白鳥形の足漕ぎボートが遊覧しています。大きな鯉が群れており、人の足音を聞きつけて、岸に集まってきます。時折、クサガメや緑亀も見かけますが、これは外来種ですが、ともに大きく育っています。スッポンが捕獲されたこともあるそうです。冬季には、シベリアから白鳥が飛来し、この池で越冬しています。
盛りは過ぎていますが、芝桜がきれいに咲いていました。
下堤は、現在の盛岡市立図書館、保育園、駐車場、宅地になっております。池はすっかり埋め立てられていますが、注意してみると、堤防の跡は小高い敷地や駐車場になっています。
この道は下堤北西側の堤跡、この道の向こうに上田組丁の桝形が存在した。
下堤の西は、現在は国道4号線と国道46号線の交差点になっていて、NHK盛岡放送局があります。この場所には、盛岡城下の北の出入り口である上田桝形がありました。この桝形の南東の上田通りは、江戸時代の上田足軽組丁のあった通りです。今から40年ほど前までは、茅葺の足軽屋敷が数件残っていましたが、現在は新しい住宅に代わっています。